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2020.04.08

身体の免疫機能を保つために

免疫とは?

人間の身体には、外部から浸入してくるウイルス・細菌類などの病原体と戦う機能が備わっています。この機能のことを「免疫」と言い、その力のことを「免疫力」と呼んでいます。免疫には大きく2つの働きがあります。

  1. 目・鼻・口などの粘膜からウイルスや細菌が体内に侵入しようとするのを防ぐ機能(=感染を防ぐ)
  2. 体内に侵入し増殖したウイルスや細菌を攻撃して排除する機能(=感染した身体を治す)

身体の中では24時間体制で免疫システムが働き、身体を守ってくれています。私たちの身体は常にウイルスや細菌などに晒されていますが、知らず知らずの間に免疫が病原菌の侵入を防いでいたり、たとえ感染したとしても免疫の働きで自然治癒することができるのです。多くの場合、ウイルスや細菌が身体に侵入しようとしていることにも気づかないでしょう。

しかし免疫力は常に一定ではなく、身体の内外から様々な影響を受けて正常に機能できなくなることがあります。何かのきっかけで免疫の力が弱まった時、普段なら体内に侵入することのないウイルスや細菌が侵入して風邪を引いたり、侵入した病原体と戦う力が弱まって風邪が長引く、傷が治りにくくなるなどの影響が出てしまいます。もし身体に免疫機能が無かったとしたら…私たちはあっという間に様々な病原菌に感染して病気になってしまうのです。

免疫力が落ちる要因と高める方法

では、どのような要因で免疫が落ちてしまうのでしょうか?免疫を高める方法は無いのでしょうか?

  • 睡眠不足や過剰なストレス
    これらは自律神経を乱す原因となります。自律神経は「交感神経」と「副交感神経」で成り立っていますが、免疫機能は副交感神経が優位になった時に非常に活発になると言われています。睡眠不足や過剰なストレスによって交感神経が優位な状態が続くと、免疫が正常に機能できなくなります。規則正しい生活を心掛け、質の良い睡眠を確保することが免疫力アップに繋がるでしょう。

  • 食事の偏り
    免疫細胞の約5~6割は腸内にいると言われており、腸内環境を整えることは免疫力を高めることに繋がります。「腸内環境を整える」とは腸内にいる善玉菌を増やして善玉菌優位な状態にするということですが、食事が偏ると悪玉菌が増えてしまいます。善玉菌を増やすには、食物繊維や発酵食品を積極的に摂ることが有効と考えられています。脂質や糖質に偏らず、良質なタンパク質、ビタミンやミネラルなどもバランス良く摂取することが大切です。

  • 体温の低下
    免疫細胞の働きは体温によって大きく変化します。免疫細胞は血液の中にいますので、体温が下がって血行が悪くなると免疫力が低下してしまいます。免疫機能が正常に保たれる体温は36.5度程度で、それが1度下がると免疫力は30%も低下すると言われています。逆に、体温が1度上がると免疫力が一時的には5~6倍に高まるとも言われており、体温低下を防ぐことの重要性が分かります。風邪を引いた時の発熱には、免疫力を高めると同時に、熱に弱いウイルスを叩くという効果があります。
  • 「運動不足」と「激しい運動」
    日常的な運動不足は言うまでもありませんよね。低体温や血流悪化の要因となり、免疫力を低下させます。適度な運動で免疫力を高めましょう。しかし一方で、激しい運動はその直後の免疫を低下させる要因となるので注意が必要です。身体が過度に疲労してしまうこと、そして激しい運動によって損傷した身体を修復するために免疫細胞がその部分に集まり、外敵から身体を守るための機能が一時的に弱まると言われています。激しい運動の直後は「免疫力が低下する」というよりも「免疫が一時的に忙しくなる」という言い方が正しいのかもしれません。

ランナーは”冷え”と”激しい運動の後”にも要注意!

「激しい運動」とは例えば、強度の高い筋力トレーニングや心拍数が非常に高まるようなハイペースのランニング、そしてフルマラソンなどが該当します。ランナーの皆さんの中には、日課として適度なジョギングを楽しまれている方や、毎日厳しいトレーニングで走力を鍛えている方など様々な方がいらっしゃるかと思います。免疫を低下させる要因として例に挙げた「運動不足」は心配無用かと思いますが、一方で「激しい運動」には要注意です。先にご紹介した通り、激しい運動の直後は損傷した体内の修復のために免疫が忙しくなり、外敵から身体を守るための機能が一時的に弱まると言われています。筋力トレーニングやフルマラソンの後に風邪を引きやすくなると言われるのはこのためです。

また、運動を習慣にされている方は基礎代謝が高くなるため、そうでない人と比べて体脂肪率が低めになる傾向があります。身体にとって「筋肉は発熱材、脂肪は保温材」ですので、体脂肪率が低い方は身体の保温機能が低くなっていると言えます。日頃から意識して身体を保温しないと、体温がすぐに逃げてしまって免疫の低下を招いてしまう可能性があります。

スポーツをするアスリートは免疫が高いと思われがちですが、激しいトレーニングや体脂肪率の低さなどが影響して免疫が低下しやすいと考えられます。激しいトレーニングの間には十分な休養を挟んだり、軽いトレーニングと交互に行う、スポーツシーン以外でも日常的に身体の保温を意識する、といったで工夫で免疫機能を保ちましょう。

関連記事(サイト内リンク) フルマラソン後の身体のケア

まずは免疫を落とさない心掛けを    

自分自身の免疫機能の状態を常に把握するというのはなかなか難しいものです。しかし、免疫機能が低下した時には身体の不調が表れることがありますので、それらを見逃さず早めに手を打つことで免疫機能を改善し、体調を大きく崩すことを抑制することは可能です。

  • 肌が荒れる
  • アレルギー症状が出やすくなる
  • お腹の調子が悪くなる
  • 風邪気味になる
  • (激しい運動をした直後)

こういった兆候が表れたときは、身体の免疫力が低下している可能性があります。もしかして最近寝不足ではありませんか?食事は偏っていませんか?そのようなときは「今は免疫が落ちているかもしれない」と自覚し、バランスのよい食事を摂ったり、規則正しい生活で質の良い睡眠を取るなどの改善を心掛けることがお勧めです。更に、手洗いやうがいでウイルスや細菌の侵入を少なくするなど、積極的な感染予防を講じて身体の外側からも免疫を補助しましょう。

しかし、まずはそうならないように免疫が落ちる要因を常日頃からできる限り少なくし、免疫機能を正常に保とうとすることが大切です。例えばインフルエンザも、予防接種を受ければ感染しないという訳ではありません。肝心の免疫力が低下した状態ではウイルスに感染してしまう可能性があるのです。日頃から「免疫力」を意識して、身体の抵抗力を保ちましょう!

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